病理学2

1.    変性

定義

・    組織・細胞に異常な物質出現

・    生理的に存在する物質の異常多量沈着

蛋白質変性

硝子化変性

尿細管上皮

ラッセル小体

多発性骨髄腫

粘液変性

胃・腸

アミロイド変性

全身臓器

フィブリノイド変性

膠原病

ムコイド変性

甲状腺機能低下症

脂肪変性

・    肥満症，脂肪沈着，リポイド沈着

・    発生頻度大：肝臓→脂肪肝

糖質変性

・    糖尿病

2.    壊死

定義

・    組織細胞が局所的に死ぬこと

3.    萎縮

定義

・    いったん成熟した臓器・組織・細胞の容積が，後天的に減少

4.    化生

定義

・    成熟した臓器が異所性に生じる

例：気管支

・    喫煙(慢性刺激)により円柱上皮→重層扁平上皮に変化

5.    充血

定義

・    局所に動脈血の流入↑

6.    うっ血

定義

・    静脈血のうっ滞

7.    血栓

定義

・    血管内血液凝固

できやすい部位

・    冠状動脈，脳動脈

DIC

・    播腫性血管内凝固症候群

・    血栓を特徴とする

8.    塞栓

定義

・    血管内外の異物・凝血塊が血管を塞ぐ

9.    梗塞

定義

・    終動脈・機能的終動脈の閉塞→臓器の虚血，組織の壊死

10.  浮腫

浮腫液

・    滲出液：炎症→血管透過性↑

・    濾出液：炎症以外の原因により血管から出る

11.  炎症

４兆候

・    発赤，腫脹，発熱，疼痛

組織反応分類

滲出性

・    局所循環障害と血液成分滲出

・    しょう液性：滲出液多い

・    化膿性：滲出液中にWBC多数

・    出血性：滲出液中にRBC多数

・    線維素性：フィブリンを多く含む

変質性

・    細胞組織内の変性・部分的壊死による

増殖性

・    線維芽細胞などの増殖が特徴

特異性

・    特定の病原体によって起こる，肉芽腫形成慢性炎症

・    結核：結核結節という肉芽腫形成

・    先天性梅毒
→ハッチンソン3主徴：実質性角膜炎，迷路性聾，ハッチンソンの耳

12.  免疫

定義

・    非自己を認識・排除

抗原

・    免疫反応を引き起こすもの

抗体

・    敵を攻撃するもの

抗原抗体反応

・    生体に有利：免疫

・    生体に不利：アレルギー

液性免疫

・    敵にすぐ働く

・    Bリンパ球→形質細胞
→補体の補助下で抗体(グロブリン)産性：1抗原に１つ，2回目からは記憶

細胞性免疫

・    敵の有無の判断

・    好中球，マクロファージ，リンパ球→胸腺経由で成熟
→Tリンパ球

Tリンパ球

ヘルパーT細胞

抗体産性命令

CD4

サプレッサーT細胞

抗体産性休め指令

CD8

キラーT細胞

独自で攻撃に行く

13.  AIDS

・    後天性免疫不全症候群

・    ヒト免疫不全ウイルス(HIV)によって引き起こされる

14.  アレルギー

種類

�T型

アナフィラキシー型

・    IgE肥満細胞結合関与

・    肥満細胞からのヒスタミンなどが障害的に働く

・    気管支喘息，アトピー性皮膚炎

�U型

細胞障害型

・    抗体結合細胞に補体・WBCが結合し障害を与える

・    自己免疫性溶血性貧血，不適合輸血

�V型

アルサス型

・    補体が結合した免疫複合体→血管付着→組織障害

・    急性糸球体腎炎，SLE

�W型

遅延型

・    組織細胞結合抗原に感作リンパ球が直接反応→細胞障害

・    ツベルクリン反応，臓器移植拒絶反応

15.  腫瘍

腺癌

・    管腔形成，粘液産性

・    消化器(食道，舌以外)，内分泌，生殖器

扁平上皮癌

・    重層扁平上皮に類似，角化傾向がみられる

・    皮膚，気管支，食道，子宮膣部，咽頭，喉頭

移行上皮癌

・    正常移行上皮に比べ重層・細胞異型性↑

・    尿管，膀胱

未分化癌

・    肺小細胞未分化癌

悪性腫瘍好発部位

食道

気管支分岐部

肺

肺門部

胃

幽門、小彎

乳房

乳房外側上部

膵臓

膵頭部

子宮

子宮頸部

TMN分類

・    癌の進行度

・    Ｔ：原発腫瘍，M：所属リンパ節転移，Ｎ：遠隔転移

血行性転移の例

・    胃癌・直腸癌：肝転移

・    前立腺・乳・腎臓癌：骨転移

・    肺癌：脳転移

リンパ行性転移の例

・    胃癌の左鎖骨上窩リンパ節転移：ウィルヒョウ転移

播腫性転移

・    腫瘍細胞がしょう膜・被膜を破り，腹腔内にばらまかれた状態

・    胃癌の例

・    両側卵巣転移：クルーケンベルグ腫瘍

・    ダグラス窩転移：シュニッツラー転移

腫瘍診断

・    血液検査：腫瘍マーカー

癌の死亡順位

1位

２位

3位

男

肺癌

胃癌

女

胃癌

肝胆嚢癌

腫瘍発生頻度

小児

白血病

神経芽腫

脳腫瘍

16.  悪性腫瘍

細胞発育形成

・    湿潤性

再発

・    多い

特徴

・    異型度強度，分化度は低い

・    発育速度が速い